暁雨館「収蔵庫モノがたり」で美術品を生・体・験

  

momo    イマナニ体験レポート

歴史がわからなくても、本物を目にする価値

こんにちは。
知的な歴女に憧れる、歴史疎い系momoです。

昔から暗記が大の苦手でテストも一夜漬で乗り切ってきたので、長期的な記憶となる海馬まで到達せず、歴史上の人物は前頭葉からパラパラとこぼれおちて今に至ります。

そんな私でも、そろそろ常識の範囲位は知っとかないと!と、まずは身近な文化・歴史に触れるべく、四国中央市の暁雨館で開催されている「収蔵庫モノがたり~暁雨館収蔵品展~」に行ってきました。

「暁雨館」は小林一茶も立ち寄ったとされる山中時風の住居号でしたが、200年の時を経て、その跡地に建設された郷土資料館の名前として引き継がれました。
常設展示は、尾藤二洲や、近藤篤山など、郷土の発展に尽くした先人たちの紹介コーナーと、岩石・鉱物の展示があります。

では早速GO!
果たしてmomoは楽しめるのか?!
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趣のある門構え。足を踏み入れると、美しい和風庭園が広がる。
趣のある門構え。足を踏み入れると、美しい和風庭園が広がる。 平成16年1月に完成した木造瓦葺平屋建築。工事費はなんと3億3千万円! 花手水とは、神社やお寺の手水に色とりどりの花々を浮かべた飾りつけのこと。 郷土の発展に尽くした先人たちを紹介した常設展示コーナー。 岩石・鉱物の宝庫と言われる関川の石を展示。エクロジャイトが有名。
今回の展示は、ここ1~2年内に暁雨館に寄贈された未公開資料だそうです。
「収蔵庫モノがたり」というタイトルの通り、そのモノにまつわるモノガタリを、寄贈者の思いと一緒に展示してあります。

そもそも、寄贈ってどんな人がするの?と思ったので学芸員さんに尋ねてみると、作者の子孫や、作品に造詣のある方などさまざまで、中にはリサイクルショップに埋もれていた作品を発掘して自費で購入し、暁雨館に寄贈された方もいらっしゃるほど(お目が高い!)。

そんな「お宝」を惜しげもなく寄贈される方々に共通するのは「地域発展の一助になれば」という思い。
我が家には一切お宝はありませんが、オンラインではなく、生の作品を愛でることができるのも、文化度の高い地域の方々のおかげですね。
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妻鳥生まれの日本画家森実公陽(1884~1958)の「臥虎図」。
妻鳥生まれの日本画家森実公陽(1884~1958)の「臥虎図」。 伊予聖人と言われた近藤篤山の次男・簣山 とその長男・立身らが家族を想って綴った書。 屏風の解説も丁寧。貼り付けてある書を1つ1つ読み解いて、現代語に訳したパネルも。 阿波池田生まれの三好藍石(みよしらんせき)の南画。晩年は川之江で創作活動に励んだ。 三好藍石の落款印の解説も。勉強になるわ~!

書はツイッター?!書かれていたのは日々のつぶやきだった(笑)

一休さんに出てきそうな迫力ある虎の絵や、親しみのある南画を鑑賞した後は「書」。

小学生で書道教室に通うも、5級止まりだった私はそれを愛でる知識も感性も持ち合わせておらず、ぐっとハードルが上がります。
ところが、目の前にある立派な書の現代語訳を見てみると、「偶然会ったが忘れていて、姓名を聞いて驚いてひっくり返ろうとした。

一緒に東海道江戸と豪遊したのは40年も前のこと」などと書いてあり、これって、ツイッターじゃーーーーん。
なんだなんだ、土居町生まれの書の達人・尾埼星山が書くと日常も作品になるんだなぁと、親近感が沸きました。
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尾埼星山(1826-1903)のツイッター的書。全貌はぜひ会場で!
尾埼星山(1826-1903)のツイッター的書。全貌はぜひ会場で! 土居町北野の天満神社鳥居の文字も尾埼星山。字体が独特! 関川公民館の文字は、土居町上野出身の書家・真鍋青嵐(まなべせいらん)の書。 作品によって字体も自由自在な真鍋青嵐の書。 真鍋青嵐の師、土居町上野出身の真鍋青岱(まなべせいたい)の書。
続いて、国宝「大手鏡(おおてかがみ)」と全て同じ配列・大きさによる図版で再現された図録。
手鏡とは古筆の切れ端や色紙、短冊などを貼りまぜた作品集のことで、つまり古筆鑑賞のためのスクラップ。

新聞1面ほどの大きさで、聖武天皇の写経と伝わるものも掲載されているとのこと。
自由にめくってご覧くださいとのことだったので、 厳かに1ページだけめくってみました。

お次は「石を見る」と書いて「硯(すずり)」のコーナーへ。
そう書道で使うお馴染みの道具ですが、素材もデザインも色も様々で、バリエーション豊か。

寄贈主は土居町出身の書家・藤田朱雀さんで、「書道パフォーマンス甲子園」の本線審査員も務められているとのこと。
展示されている硯の中には、今では採掘不可能な中国の石で作られた貴重品も。
「書」の作品だけでなく道具を愛でるのも、いとをかし。
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「近衛家伝来国宝大手鏡」が再現された図録。読めなくても、解説本あり。
「近衛家伝来国宝大手鏡」が再現された図録。読めなくても、解説本あり。 硯を寄贈された藤田朱雀さんの著書や書も紹介。 「新」の表記がある硯は近代以降に作られた新しいもの。 「西條誌」稿本復刻版全20巻。西条藩の領地であった宇摩郡(現四国中央市)の地域も掲載。 ガラスケースに入った「西條誌」は、9/1以降閲覧可能とのこと。
ひととおり、作品を鑑賞しての感想は「歴史に詳しくなくても感性で鑑賞できる!」ということ。

今回展示された収蔵品の物語は、まず暁雨館へ寄贈されるところから始まります。
学芸員さんはそれが本物かどうかの鑑定に行き、漢詩などの書であれば読み解き、現代語訳をつけられます。

更に作者に関わりのある方々に聞き取りに行ったりと、手間も暇もかけてようやくお披露目。
寄贈者さんの思いとともに紹介された収蔵品には、そんないくつもの物語がありました。

企画された学芸員さんは子どもの頃よく郷土資料館に遊びに行っていたそうです。
その体験や記憶が今のお仕事に結びついたのかもしれません。

子どもが見てわかるかな?!という作品でも、その純粋な感性でホンモノを鑑賞することは、食育ならぬ芸術育になりそう。
200年の時を経ても変わらない思いを、きっと心で感じてくれるはず。
収蔵庫モノがたり~暁雨館新収蔵品展~
開催日/7月7日~8月30日
開催時間/9:00~17:00 定休日月曜
開催場所/暁雨館(愛媛県四国中央市土居町入野178-1)
駐車場/あり
料金/無料
問い合わせ先/暁雨館(ぎょううかん) TEL.0896-28-6325
URL/http://www.kaminomachi.or.jp/facility/gyou/
reported by momo