話題豊富な花、アジサイ。梅雨の主役です。

  

まるで謎に満ちたミステリアスな女性のよう…

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他の花には無い個性や魅力

雨を喜ぶかのように咲くアジサイ。こんなにも雨が似合う花が他にあるでしょうか。ちょっと寂しげで、なぜか惹きつけられる。
気になるアジサイについて色々調べてみると、意外な姿が見えてきました。様々に姿を変えたり、謎があったり、ちょっと「魔性」を感じたり…。なんだか怪しい魅力の女性像が浮かんでしまいました。
今回はそんなアジサイの話をたっぷりご紹介します。

アジサイの語源と、漢字の勘違い

「アジサイ」の語源は諸説ありますが、一般には、古く「あづさい」と言われていたのが訛ったとされています。「あづ」は「集まる」を意味し、「さい」は「真藍(さあい)」が縮まった語なのだそう。
小さな花がたくさん集まった姿からきているのでしょう。


アジサイには「紫陽花」という漢字があてられますが、実はこれ、勘違いが始まりと言われています。
中国の唐の時代、白楽天が「紫陽花」という漢詩を作りました。これを読んだ平安時代の歌人が「アジサイのことだ」と思い込み、「紫陽花」の字をあてるようになったのだとか。
しかし白楽天が詩にした花は、紫色の香り高い花だったそう。アジサイの香りは無いに等しいほどなので、本当はライラックだったのでは?という説も。


これがライラック。確かに、似ているような…。

謎に満ちたアジサイの歴史

昔の話をもう少し。長い不遇の時代を送ったアジサイの話です。

万葉集にはアジサイを詠んだと思われる和歌が二首だけあり、それぞれ「安知佐為」「味狭藍」という字があてられています。
奈良時代に、たった二首。その後、平安時代の多数の和歌集や随筆などで、アジサイの花が登場することは無くなります。花を愛で、歌に詠むことが常という日本文学の歴史の中では、なんとも奇異な話です。


その後、絵画や俳句・川柳の題材にはなってきますが、園芸文化盛んな江戸時代にも植木屋はそっぽを向いていたそうです。
観賞用の花として人気が出てくるのは、なんと第二次世界大戦後。鎌倉の明月院や長谷寺などが、アジサイで観光名所になってからだそうです。


▲鎌倉の明月院

このアジサイの不思議な歴史については、詳しく語ると大変な長文になってしまうので、このくらいで止めておきますね。

アジサイは「花」じゃない?

さて、花の話をしましょう。

雨の中みずみずしく花咲くアジサイですが、実は私たちが見ているのは、「花」ではありません。青やピンクの美しい花は花びらではなく、「ガク」なのです。アジサイの「花」は、色鮮やかなガクの真ん中の、ほんの小さな部分です。
ガクといえば、通常は花びらの外側にある小さな葉っぱのような部分。イチゴならヘタの部分がそう。


▲この写真、4枚の「ガク」の真ん中に、小さな小さな「花」があるのがわかりますか?

いくつも集まって大きな丸い花になるアジサイですが、ぜひ一度じっくりと、その一つひとつ、そして真ん中の小さな花に、注目してみてくださいね。

アジサイは「七変化」

アジサイにはたくさんの色があります。これには土壌の酸性度(pH)が関係していて、酸性が強いほど青く、アルカリ性になるほど赤くなります。ただし品種によっては変わらないものも。

また、同じ花でも時の経過で色が変化するものもあります。白から緑、ピンクから紫や深紅など、まるで違う花になったかのように。
色が変わることから、アジサイには「七変化」「七色花」の異名もあるほどです。

この「移り気」な様子が、江戸時代は「節操がない」とされ、武士から嫌われていたという話もあるようですよ。

「毒」のある話

アジサイは、色の変化にちなんで「移り気」「浮気」という花言葉を持っています。
もちろん良い意味の花言葉もあり、「一家団欒」「家族の結びつき」、他にも色によって、ピンクは「元気な女性」、青は「辛抱強い愛情」、白「寛容」というものもあります。

「無常」「冷淡」などもあり、この冷たいイメージの花言葉から思い出した話があります。
実はアジサイには、「毒がある」といわれています。

確実に立証されているわけではないそうですが、アジサイの葉を食べて嘔吐や痙攣などの中毒症状が出たという症例が報告されています。
でももちろん、庭にあることも、見たり飾ったり、手で触れたりすることも、体に害はありませんのでご安心を。ただ、小さなお子さんが誤って口に入れたりすることがないように、気をつけてくださいね。

品種いろいろ写真集

アジサイの花の種類は数千種類にのぼると言われています。
大きくは「ガクアジサイ」と「アジサイ」の2種類。「アジサイ」は「ホンアジサイ」とも呼ばれます。


▲「ガクアジサイ」

ガクアジサイの「ガク」は、額縁の「額」です。外側のヒラヒラと色鮮やかな「装飾花」が、中央の雄しべと雌しべしか見えない「両性花」を取り囲み、額縁のようになっています。
日本のアジサイは全てガクアジサイが起源だそうです。


▲「アジサイ(ホンアジサイ)」

一方、全てが「装飾花」で丸いボールのようになっているのが「アジサイ」。ガクアジサイを品種改良して生まれものです。

他にもたくさんある品種のうち、いくつかをご紹介しておきましょう。


▲「ダンスパーティー」八重咲きで華やか。


▲「テマリテマリ」こちらも八重咲き。可愛らしく丸みを帯びています。


▲「ポップコーン」その名の通り、丸くはじけたポップコーンのイメージです。


▲「墨田の花火」これもその名の通り。


▲「カシワバアジサイ」葉の形が柏に似ていて、花房が円錐形なのが特徴。

アジサイクッキング

最後に、アジサイにちなんだ料理もご紹介しますね。
アジサイ自体は先ほども書いた通り、毒性があると言われていて食べられませんので、アジサイをかたどった涼やかな二品です。


冷やし中華の具材を、アジサイの花に見立ててみました。100円ショップなどで売っている型抜きで、ハムやチーズを小さな花や星の形に抜いてたくさん並べただけ。お弁当のご飯の上に並べてもいいかも。


「紫陽花」と呼ばれる和菓子。白あんの周りに色をつけたゼリーや寒天を小さく切ってくっつければ、簡単に手作りできます。蒸し暑い季節に、清涼感を与えてくれます。

いかがでしたか?話題が尽きないアジサイに、興味が湧いてきませんか?
愛媛県内でアジサイが見られる場所がたくさんあります。ぜひ出かけて行って、アジサイの世界をたっぷりと感じてください。

【愛媛のアジサイスポット・イベント】

嶺南あじさい観賞会
開催日/6月24日(日)
開催時間/10:00 〜15:00
開催場所/富郷町寒川山(下長瀬アジサイ公園)
問い合わせ/0896-28-6069(嶺南公民館)
嶺南あじさい観賞会のイベント情報を見る


新宮あじさい祭り
開催日/6月24日(日)
開催場所/新宮町上山 中野地区
問い合わせ/0896-28-6187(四国中央市観光交通課)
新宮あじさい祭りのイベント情報を見る


ゆらぎの森あじさい祭り
開催日/7月1日(日)
開催時間/10:00 〜15:00
開催場所/森林公園ゆらぎの森
問い合わせ/0897-64-2220(オーベルジュゆらぎ)
ゆらぎの森あじさい祭りのイベント情報を見る

reported by イマナニ編集部
イマナニ特集