春のおでかけは大洲城へ!

  

大洲城には秘密がいっぱい!

寒さもゆるみ始め、春はすぐそこまでやって来ましたね。
楽しみなのは、やっぱり「桜」。
お花見は欠かせません!
そこで、おすすめのスポット「大洲城」をご紹介します。

…その前に、大洲の紹介から。
大洲は愛媛県随一の大河・肱川の流域に広がる旧城下町。
「伊予の小京都」と呼ばれ、どこか懐かしい町並みが残り、ノスタルジックな風情たっぷり。
和装での散策がとっても似合いそう!

大洲の中心部にそびえるのが「大洲城」。
その天守が戦後“初”の当時の工法で忠実に復元された「四層四階の木造天守」だということは存知でしたか?
木造による復元といえば、名古屋城が話題となっていますが、大洲城は名古屋城の先をいっているんです!

では、その“当時”っていつなの?
そもそも誰が築城したの??
実は、大洲城の築城については謎だらけなんです…。

大洲城は藤堂高虎説、脇坂移築説、どっち!?

「城郭の遠望、殊(こと)に愛(め)でたし」
古い書物で、肱川の碧潭に影を映す美しさを称えられた大洲城。

多くの書籍や観光パンフレットには「大洲城は、築城の名手として名高い藤堂高虎によって築かれたものである」と書かれてきました。
しかし、近年の研究では「高虎の盟友であった脇坂安治が淡路島の洲本城を移築したのではないか」という説が囁かれています。

藤堂高虎説、脇坂移築説、どっちなのか!?
城郭ファンにとっては堪えられない謎ですね。
いずれにせよ、大洲城は豊臣時代から存在していたようです。

天守内部も見どころがいっぱい

平成16年、約2年半にわたる工事期間を経て、大洲天守はよみがえりました。
多くの工匠の知恵と技を集結し、完全復元された四層四階の天守の内部は木の清々しさに包まれ、精巧さと力強さを併せ持ちます。

樹齢約250年のヒノキを使った直径33cmの心柱(しんばしら)が、3階を境に上下に分かれ、四層を貫いているのが最大の特徴。
1・2階が大きな吹き抜け構造になっています。
天守の真ん中ではなく、約1m北寄りにあるのも見どころ。
しかも2階・3階でつないで直立させる職人技は感動モノです。

心柱は五重塔が有名で、城郭のなかでは姫路城が知られていますが、他の城ではあまり見られません。
その意味するところは耐震性を高めるためとも、宗教的な意味合いがあるとも、謎に包まれており、これが現代の匠の手により復元したというからスゴい!

なぜ当時の工法による復元を可能としたのか

(天守雛形:大洲市立博物館蔵)

まず一つに、当時の絵図や雛形など史料が多く残っていたという点で、それにより天守の規模や構造が高精度で分かったそう。
天守の外観を伝えるものとして、明治時代に撮影された写真も残されていました。

とはいえ、復元する場所には国の重要文化財である櫓(やぐら)もあるため、文化庁の許可も得なければならない、木造による復元であれば、建築に関する法律もクリアしなければならない…。
ハードルはとても高いものでしたが、「もう一度、在りし日の姿そのままの城を見たい」という大洲の人たちの願いは強く、次から次へと持ち上がる課題を一つひとつクリア。

もちろん莫大な資金も必要でしたが、市民や企業・団体、県外在住の大洲市出身の方々の募金により目標額を達成しました。

さらには「木造」となれば、多くの木材が必要なもの。
それも市民手づくりの天守を実現するため、できるだけ大洲の木を使う「募木」を行ったところ、集まった数は577本!
全体の4割を大洲で育った木でまかなうことができました。

工事には富山県から来県した優れた技術を持つ宮大工たちに加え、地元の大工たちも携わったそうです。

まさに官民一体となって実現した木造天守の復元!
市民みんなで見守り、よみがえらせた「大洲城」…そう思うと、とても感慨深いですね。

おまけ:これはどこにあるでしょう!?

よく見たら、てんとう虫のよう…。
木の節を利用して、現代の匠の遊び心から生まれた彫り物です。
天守のどこかにありますので、ぜひ探してみてくださいね。

歴史を知れば、大洲城はもっと面白い!

さぁ、皆さん、大洲城に興味が湧きましたか?
湧き上がる知的好奇心をくすぐるガイドブック「大洲城下物語」が発売されました。

謎に満ちた誕生を新たな説を用いて解き明かしながら、
幕末維新の熱き群像、また史実と木造天守にこだわった復元ドキュメントまで、史実に基づきながら歴史的トピックをいきいきと描き出すエンタテイメント!

この一冊を読めば、大洲城はさらに面白くなるはずです。
ぜひお手に取ってみてください。
「大洲城下物語〜おおずしろしたものがたり〜」ご購入はこちらから

今年のお花見は大洲城へ

西日本豪雨により甚大な被害を受けた大洲ですが、復旧・復興は着実に進んで元気です!
そんな大洲へおでかけしませんか?
桜の開花は例年3月下旬〜中旬だそう。

桜を近くで見るのもいいですが、撮影のベストスポットは肱川対岸の北側。
天守、台所櫓が並んで見え、大洲城がもっとも美しいといわれています。
インスタ映え間違いナシ!

夜はライトアップされ、幻想的な眺めを楽しめますよ。

また毎週土・日曜には観光列車「伊予灘ものがたり」が鉄橋を渡るとき、大洲城本丸からのぼり旗を振る「歓迎はたふり」が行われているのですが、満開の桜の下で旗振りにチャレンジするのも良さそう!(15:16頃、16:25頃)

大洲城の近くには、国の重要文化財「臥龍山荘」や「おはなはん通り」「おおず赤レンガ館」など、明治ロマンあふれる名所もたくさん!
まち歩きも楽しんでくださいね〜。
イマナニ「大洲市」観光情報はコチラ

■大洲城
住所/愛媛県大洲市大洲903番地
電話番号/大洲城管理事務所 0893-24-1146
休日/無休
駐車場/70台 ※駐車場は市民会館駐車場(有料)又は観光第一駐車場(無料)をご利用ください。観光第一駐車場にはバス駐車場(5台)もご用意しています。
料金/【普通観覧料】 大人500円 小人200円(中学生以下) 【共通観覧料(大洲城-臥龍山荘)】 大人800円 小人300円
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reported by イマナニ編集部 どりあん
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