まるでお雛様!美しいお姫様たちの『五色姫復活祭』 と『郡中ひなかざり』

  

女性のための華やかなお祭り

もうすぐひな祭りですね。
旧暦(現在の4月3日頃)では桃の花が咲く時期だったため、『桃の節句』とも呼ばれ、現在の3月3日~4月3日頃までおひな様を楽しむ地域も多く存在しています。
今回ご紹介する『郡中ひなかざり』も3月3日~4月3日まで続くお祭り。

愛媛県のひな祭りと言えば久万高原町の『くままち ひなまつり』が有名ですが、伊予市の郡中駅周辺の商店街でも数多くのお雛様が飾られているのをご存じですか?
さらに郡中の五色浜周辺では、ひな祭りと併せて毎年春に、女性のためのお祭りが開催されているんですよ。

その名も『ー女性の祭典ー 五色姫復活祭』!
五色浜の名前の由来となった『五色姫』の復活を願う、全国的にも珍しい女性が主役のお祭りです。
まるでおひな様のように美しい五色姫のパレードや稚児行列、女性神輿や餅まき等の催しのほか、商店街にはたくさんの出店やバザーが並んで賑わう、伊予の春の風物詩です。

町中を彩るおひな様や五色姫たちの華やかな姿を見ながら、郡中の街並みをゆっくりと散策してみませんか。

伊予灘に面した、海と山の幸に恵まれた『郡中』

郡中ひなかざりや五色姫復活祭の舞台となる『郡中』は、愛媛県都の松山から車で約25分の位置にある、自然豊かな町。

JR予讃線の伊予市駅、伊予鉄郡中線の郡中駅と郡中港駅が徒歩数分以内の距離にあり、松山空港まで車で約20分、松山自動車道の伊予インターチェンジまでは約8分です。
どこに行くにもアクセスが良いので、愛媛県内で一番交通の便利な町と言われています。
快適な『まちなか暮らし』を求めて、移住される方も多いそうですよ。

●動画『五色浜周辺』by 郡中二百年祭記念動画

中心街から徒歩10分程の距離にある五色浜こと『五色姫海浜公園』は、夏はプールと海水浴場で人気のリゾートスポット。
駐車場・トイレ・自販機が揃っているので、アジやサヨリが釣れるファミリー向けの釣り場としても有名です。
秋になると、いもたき会場が出現して賑わいますよ。

なぜ『五色浜』や『五色姫海浜公園』と呼ばれているのか?
おひな様のご紹介の前に、五色浜の秘密についてお話しましょう。

五色浜の名前の由来とは?

愛媛県中予地方には、源平合戦の際に敗れた平家の落人伝説が多く残っています。
平家が源氏に滅ぼされて間もない頃のお話。
郡中の浜辺に小舟が流れ着き、中からとても美しい五人のお姫様が現れました。
お姫様たちは、その浜辺に小屋を建ててしばらく暮らしていましたが、悲劇の末、世を儚んで海に身を投げてしまいます。

その頃から、その浜辺には赤・白・緑・黄・黒の五色の小石が打ち寄せるようになり、人々はこの浜辺を『五色浜』と呼ぶようになったそうです。
現在では、五色浜中央の『かに広場』に、赤・白・緑・黄・黒の石が安置されています。

五色浜のお話を哀れんだ地元の人たちによって、いつしか復活譚が語られるようになりました。

五色の小石と『ねがい石』

後に語られた復活譚には、地元の人々の優しさがにじみ出ています。その内容がこちら。
五人のお姫様の生まれ変わりのような美しい小石を見て、地元の人々は悲しみ、お姫様たちの復活を願って小石を手に泣き続けました。
その涙が小石に降り注いだところ、お姫様たちが海のかなたから再びよみがえり、地元の人々と幸せに暮らしたそうです。

そのお話から「五色の石に願い事をすると願いが叶う」という言い伝えが広まり、祈願成就の『ねがい石』として現代に伝えられています。

こちらは、五色浜にある五色浜神社。
五色浜神社の境内には、五色姫神社と願い石の碑が建立しています。
五人の姫の御霊を鎮め、お姫様たちの幸せと復活を祈願しているそうです。

五色浜の小石はこちらの神社で祈祷され、人々の願いをかなえる『ねがい石』としてお祭りの当日、現代の五色姫たちの手によって配られますよ。

全国的にも珍しい女性のためのお祭り

『ー女性のための祭典ー 五色姫復活祭』は平成元年から続いており、今年で31回目。

お祭りの当日は、お昼の12時に五色姫海浜公園の『かに広場』でオープニングセレモニーが始まります。
五色姫復活譚になぞらえて、まずは五色姫海浜公園にある大きな石にお水をかけて五色姫を復活させる儀式が行われ、その後に一般公募で選ばれた5人の女性と小学生5人の合計10人が、現代によみがえった五色姫として任命されるそうです。

セレモニー後にはお姫様たちによる景品付きの祝もちまきも行われますよ。
景品のくじが付いていたらラッキー!
景品くじと景品との引き換えは、パレードの最後の広場通り駐車場で行われるので、最後までパレードと一緒に行動しましょうね。

お祭りで賑わう4つの商店街

五色姫パレードは、五色浜から五色姫通りを通って、4つの商店街を練り歩きます。
国鉄通り商店街、灘町みなみ商店街、灘町商店街、郡中駅前・広場通り商店街の4つが『伊予市商店街地区』と呼ばれ、郡中ひなかざりと五色姫復活祭パレードのメイン会場です。

どことなくレトロな雰囲気が漂うこの商店街は、江戸時代や明治時代の建造物もいくつか残っていて、イベント時でなくても見どころがたくさんあるのですが、お祭りの最中は所狭しとバザーや各種マルシェが開催されていて、大賑わい!

地元商店による出店はもちろん、手作り品作家のお店から、五色姫うどん・五色姫寿司などのご当地食べ物や、五色姫恋みくじといったレアなご当地おみくじまで、商店街には様々なお店が並ぶそうですよ。

子どもが喜ぶ、うさぎやモルモットとのふれあいコーナー『うさぎちゃんと遊ぼう』や、射的などの縁日系のイベントも盛りだくさんです。

華やかな五色姫パレード

伝説の小舟に乗った五色姫たちは五色浜を出発し、たくさんの観客に手を振られながら、バザーや自由市場で賑わう商店街をゆっくりと進みます。

パレードの途中、町家・黒住教会前・元伊予市社会福祉協議会前・片岡書店前・キクヤ化粧品店前の5ヵ所で立ち止まり、『ねがい石』を人々にプレゼントしてくれます。
各所先着100名限りで、交換には、セレモニー前の午前11時から配布されるプレゼント券(引換券)が必要です。
事前に引換券を入手しておいてくださいね。

パレードに続いて『女性みこし』も練り歩き、女性みこしかきくらべのイベントも行われます。
伊予市の女性たちは、元気いっぱい!法被を着た女性たちの威勢のいい声が響き、街は活気に溢れますよ。

鮮やかな衣装に身を包んだ、地域の子どもたちによる『稚児行列』も見どころの一つ。
かわいい数十人の子どもたちが手をつないで、商店街を練り歩きます。こちらも五色姫と同じく、ひな祭りのひな壇から飛び出してきたかのよう。

伊予路に春を呼ぶ、郡中ひなかざり

お待たせしました、『郡中ひなかざり』についてご説明します。

郡中ひなかざりは、伊予市商店街地域の店舗・空き店舗・住宅などの23ヵ所で、約900体のおひな様が飾られる、春の風物詩。
中心市街地にある商店街の関係者や、地域の住民によって運営されている交流施設「郡中いっぷく亭」が企画しています。

130年前のおひな様は、明治21年(1888年)生まれ。灘町みなみ商店街の共和モータースさんで見ることができます。
保管状態がよく、とても大事にされていることが分かりますね。

ひな人形だけでなく、吊るし雛や五色結びという飾り付けもされていて、実に華やか。
五色姫復活祭の当日だけでなく、3月3日~4月3日まで開催されているので、もし見逃してしまっても期間内でしたら何度でも見ることができますよ。

海の幸・山の幸・手作り品で賑わう商店街をぶらり

●動画『がんばる商店』by 郡中二百年祭記念動画

郡中は、海・山・里が近いため、様々な良品を手に取ることができます。
動画の中でご紹介している、相原商店の『むろあじ』削り節300円(税込)は、筆者の大好物。
お店で丁寧に削られた、風味豊かな削り節をぜひ味わってみてくださいね。

JR伊予市駅と伊予鉄郡中港駅から徒歩約2分の位置にある『手づくり交流市場 町家』。
こちらには、伊予市の良いモノや楽しい情報がたくさん集まっているので、郡中を歩く際の拠点にすると良いでしょう。

新鮮果物や野菜、鮮魚や加工品などが一堂に揃う、道の駅のような施設です。
3月中旬に並ぶオススメの果物は『でこぽん』。

五色姫復活祭と郡中ひなかざりで賑わう春は、郡中をめいっぱい楽しめるチャンス!
たくさんの魅力あふれる郡中の町を、見て触って味わってください。
気候も良くなってきたので、電車でのぶらり旅も楽しいですよ。

【第31回 -女性の祭典- 五色姫復活祭】
■開催日/3月24日(日)
■開催場所/五色姫海浜公園、伊予市商店街地区
■開催時間/10:00~15:00(開催される催しにより異なる)
■オープニングセレモニー 12:00~
■五色姫パレード・稚児行列 13:00~
■女性みこしかきくらべ 13:20~
イマナニ「第31回 -女性の祭典- 五色姫復活祭」情報はコチラ

【第12回 郡中ひなかざり】
■開催期間/3月3日~4月3日
■開催場所/伊予市商店街地区
■開催時間/9:00~18:00(店舗により異なる)
イマナニ「第12回 郡中ひなかざり」情報はコチラ

reported by イマナニ編集部 Natuorhytym
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