ワクワク!幸せ!がいっぱいの日本画展

  

市太郎    イマナニ体験レポート

なんだ、このかわいい絵たちは!

はじめまして!市太郎です。
今回は、愛媛県美術館で開催中の「生誕200年記念 沖冠岳と江戸絵画展」に行ってきました!

結論を言いますね。
「沖冠岳?だれ?」
「日本画?難しそう…」
「渋すぎてよくわからない…」
そんな人たちにこそぜひ行ってみてほしい展示でしたよ!

まず、沖冠岳(おき・かんがく)という画家について。
江戸時代後期文化14年、今治に生まれ、明治7年に逝去した画家です。

幼少期に今治で絵を習い、その後京都で修行をし、江戸に進出して町絵師として活躍。
その間ちょっと神戸藩に士官してみたり。
晩年は今治に帰って存分に画業に没頭したり。
とにかく絵が好きで、のびのびとした楽しそうな人だなあという印象です。

そんな冠岳の生誕200周年にあたり、今回の展覧会はそれをお祝いしちゃおう!というものなのです。

さて、難しいことは置いといて、絵を見ていきましょう!
※特別に許可を得て撮影したものです。通常は撮影禁止です!
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あら!動物さんたち!

小鳥、鹿、鶏、花や蝶たちが、色鮮やかで華やかで、メルヘンチックにすら見える、かわいらしい世界観で描かれています。
日本画って墨!渋い!ってイメージですがこんな絵もあるのですね。

他にも冠岳が得意とした虎や、犬に猫、十二支の動物たちがいきいきと可愛らしく描かれた絵たち。
見ていて楽しく、心が和みますよ。
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こっちのひよこちゃんもかわいい!

おめでとう!冠岳さん!

かわいい絵だけではありません。
これらは実際に足を運んでぜひ見てみて欲しいのですが、菊池 武光(鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将)が川で刀の血を洗う絵は描き込みの密と疎のバランスが絶妙で、とんでもない緊迫感を感じました。

今治帰郷後、今治からの依頼で描かれた今治城の絵は当時の様子が分かり、とてもおもしろい作品です。(学芸員さんによると、必ずしもすべて正確だとは限らないとのこと)
ちなみにこの絵が所蔵されている今治城を出るのは初めてとのことで、激レア!です。

「旭日図」はとにかくシンプル!大胆!美しい!

様々なモチーフが様々なタッチで描かれた絵がとにかくたくさん!
(学芸員さんによると、基本、依頼されて絵を描いているのでモチーフやタッチも多様なものになるのだそうです)
絵ごとに世界観があり、次はどんな世界にひたれるのだろう、と、ワクワクしながら絵を見進められました。
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みんなたのしそうだなあ

冠岳の生誕200周年を祝う展覧会ということですが、展示の最後、ある形で冠岳さんをお祝いしてます。

ネタバレにならないよう詳細は控えますが、これを見てものすごく幸せな気持ちになり、また、この展覧会の構成が本当に見事だなあとしみじみ思いました。
展覧会って、絵そのものだけでなく、学芸員さんが考えられた構成も見どころだと思ってます。

今回鑑賞にあたり、この展覧会を企画された学芸員さんにお話をおききすることもできました。
冠岳さんの絵やご自身についてここには書ききれない色々なエピソードや裏話、どれも興味深く、冠岳さんにどんどん親しみが湧いてきました。
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図録で反芻するのも好き。
美術の授業に出てくるわけでもない、BRUTUSで特集が組まれるわけでもない。言ってしまえばマイナー。
でもこんなに素敵な、愛すべき画家が愛媛にいたのだということが分かって嬉しくなる展覧会でした。
3月25日まで開催してるので、まだの方はぜひ行ってみてくださいね!

※ただ見るだけでない、対話型鑑賞プログラムも開催されます。
3月11日(日)・25日(日)
・時間:11時~11時30分
・場所:企画展示室
※申込不要。ただし、本展観覧券(半券可)が必要


生誕200年記念 沖冠岳と江戸絵画展
開催日/1月20日(土)~3月25日(日)
開催時間/9:40~18:00(入場17:30まで)
開催場所/愛媛県美術館(愛媛県松山市堀之内)
問い合わせ先/「沖冠岳展」実行委員会事務局(あいテレビ企画事業部内)  TEL.089-932-0010
URL/http://www.ehime-art.jp
reported by 市太郎