芸術の秋! 美術館&博物館めぐり

  

今秋は、芸術家の魂に触れてみませんか?

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日々の慌ただしさに、ふとため息。気付けば長い間、芸術とは無縁の生活をおくっている人も多いのではないでしょうか?
とはいえ、スマホやパソコンを覗けばいつでも芸術作品を見ることができる時代ですから、あえてお金と時間を使ってまで美術館や博物館に出かける必要性を感じない人もいるかと思います。

けれど、訪れてみればわかる。美術館には、小さな画面を見つめるだけではわからない“なにか”があるのです。県内にはたくさんの美術館&博物館があります。常設展のほかにも、さまざまな企画展が催されているので、自分だけの“なにか”を見つける旅に出かけてみませんか?


▲『愛媛県美術館』では、10月21日(日)まで『巨匠が愛した美の世界 川端康成と東山魁夷(かいい)』を開催。

日本人初のノーベル文学賞受賞作家・川端康成と、昭和を代表する日本画家・東山魁夷は、優れた美術品コレクターとしても有名。2大巨匠が愛した“美の世界”はどういったものなのか…。ちょっと気になりますね。

また今回の企画展では、川端の名作『伊豆の踊子』のモデルとなった初恋の人・伊藤初代さんへ宛てた未投函書簡も公開されています。踊子の少女への淡い恋心、そして悲しい別れ…。今一度本を読み返し、美術館を訪れてみるのもいいですね。

愛媛にゆかりのある人物を知ろう

“地産地消”“ふるさと納税”など、地域の力や特産物が見直されている昨今。しかし、“愛媛の歴史”については意外と知らなかったりするんですよね。そこで私がオススメするのが“古地図”です。年代についての定義はないものの、古ければ古いほど面白いといわれているんですよ~。

古地図には、現在とは異なる地形が描かれています。なので、「自宅のある場所は昔〇〇だった」「あんなに栄えている場所が、実はド田舎だった」なんていう発見があるのです。思わぬところに川や道があり、それが地名に繋がっているところもあるかもしれませんね。
また、時代や地区によって地図のつくりが違うので、芸術として鑑賞するのも有りです!


▲『愛媛県歴史文化博物館』では、9月15日(土)~11月25日(日)まで特別展『古地図で楽しむ伊予』を開催。江戸時代の古地図を一堂に集めた特別展では、個性豊かな伊予国絵図や村絵図を見ることができます。



▲関連イベントとして、楽しみながら地図記号を覚えられる『地図記号クッキーをつくろう!』(土・日・祝日/13:00~15:00/300円)や、『古地図でレトロなバッグをつくろう』(土・日・祝日/10:00~12:00、13:00~16:00/200円)も開催。ぜひお子さんと一緒に参加してみてください。

あの『東海道五十三次』復刻版が見れる!

みなさんは、ゴッホやモネなどの画家に影響を与えた江戸時代の浮世絵師・歌川広重をご存知でしょうか。中でも浮世絵木版画の連作『東海道五十三次』はとても有名で――と説明するより、「1965年から1997年にかけて、永谷園『お茶づけ海苔』に封入されていたおまけカードの絵を描いた人」と言った方がわかりやすいかもしれませんね。2016年にこのおまけカードが復活したとき、ネット上ではちょっとした話題になっていたんですよ。


▲『風の博物館・歌麿館』の歌麿館企画展示室にて、歌川広重『東海道五十三次』復刻版が展示されています。9月24日(月)までなので気になる方はお早めに。


▲また9月14日(金)~11月19日(月)までの約1か月間、風の博物館企画展示室にて浮田光治コレクション『手拭万華鏡』を開催。展示されている約300点の手拭はすべて“名もなき職人たちの手仕事”です。

ちょっと可愛い中国古銅器を見つめて

今、女性の間で縄文時代が空前のブームを巻き起こしています。“縄文女子”“土偶女子”と呼ばれる彼女たちいわく「土偶が可愛い」のだとか。土偶は人間、特に女性を模して作られているらしく、そのユニークな姿に力強さと神秘を感じるよう。

だけど、中国の虎卣(こゆう)だって、可愛さでは負けていません! 大きな口を開けた虎が後脚で立ち、胸に人間を抱きかかえて…


▲「ワタシは、守られているのか最大のピンチなのか!?」と書かれた文字が印象的な、『あかがねミュージアム』の『至宝の中国古銅器』展は9月15日(土)~11月4日(日)の日程。どちらが正解なのか、答えを探しに訪れてみませんか?


▲関連イベントとして、9月22日(土)・23日(日)に『古印を作ろう』(小学5年生以上/材料代1,000円)、9月30日(日)&10月21日(日)の2回にわたり『陶芸で古銅器を作ろう』(小学3年生以下は保護者同伴/材料費1,500円/要事前申込み)も開催されます。
古銅器展を見ながらクイズに答えていくクイズラリーも楽しそう! 全問正解すると、何かがもらえるかも…。

見て、触れて楽しむ美術館&博物館

小さな子どもを連れて芸術の秋を楽しむのは至難の業。だけど、子どもと一緒に楽しめる場所があるとしたらどうでしょう。有名な絵画や展示品があるわけじゃないけれど、子どもの笑顔がたっぷりと詰まった施設を2つご紹介します。


▲まずは『タオル美術館』。タオル販売のほかにも、さまざまな企画展を開催! 9月26日(水)まで、幅34m高さ4mの3Dプロジェクションマッピング展『糸で織りなす花・タオル物語』が催されています。



▲触れると動き出すインタラクティブ映像や足元に広がるプラネタリウムは、年齢を問わずワクワクしますよ~。

2つめは『愛媛県総合科学博物館』の常設展示。新しい展示がドンドン入ってくるので、いつ訪れても楽しむことができます。


▲子どもたちに人気なのは、金・土・日・祝日に行われている科学技術館の実験コーナー。10月8日(月)までは、熱と温度の仕組みについて学ぶことができる『あつい! つめたい! ふしぎ実験ショー』が開催されています。


▲また9月22日(土)からは『魅惑の万華鏡ミュージアム』がスタート。一般的によく知られている筒型の万華鏡だけではなく、美しい外観を楽しめる万華鏡が勢ぞろい。毎週土・日・祝日には万華鏡を作るイベント等も開催される予定です。

芸術を楽しむコツは“知る”こと


芸術の秋ということで、県内にある美術館や博物館の企画展をいくつかご紹介しましたが、「行きたい!」と思う場所は見つかったでしょうか。
中にはちょっとハードルが高い&今まで興味を持っていなかった催しもあるかと思いますが、時代背景や作者の生き様を知ると、作品がグッと身近に感じますよ。

いつもとは少し違う“秋”を楽しんでもらえれば嬉しいです。

■愛媛県美術館
開館時間/9:40~18:00 (入室は17:30まで)
休/期間中は9月4日(火)、10日(月)、18日(火)、25日(火)、10月2日(火)、9日(火)、15日(月)
料金/当日券は一般1,300円、高大生900円、小中学生700円。前売り券は一般1,100円、高大生700円、小中学生500円
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■愛媛県歴史文化博物館
開館時間/9:00~17:30(展示室への入館は17:00まで)
休/毎週月曜(第1月曜日は開館、翌火曜日が休館)
料金/一般510円、65歳以上260円・中学生以下無料
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■あかがねミュージアム
開館時間/9:30~17:00(入場は16:30まで)
休/9月18日(火)、25日(火)、10月2日(火)、9日(火)、15日(月)、22日(月)、29日(月)
料金/一般500円、65歳以上250円、18歳以下無料
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■タオル美術館
開館時間/9:30~18:00(ギャラリー見学は17:30まで)
休/無休
料金/一般800円、65歳以上500円、中高生600円、小学生400円
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■愛媛県総合科学博物館
開館時間/9:00~17:30(展示室への入場は17:00まで)
休/月曜(第1月曜は開館、翌火曜が休館)
料金/常設展示室は一般510円、65歳以上260円、中学生以下無料
愛媛県総合科学博物館の情報を見る


■風の博物館・歌麿館
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休/火曜(火曜が祝日の場合は、翌日が休館)
料金/一般500円、65歳以上300円、高校生250円、小中学生200円
風の博物館・歌麿館の情報を見る
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reported by イマナニ編集部
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